第9章 団員名簿
「エレンには仕分けをお願いしたいの。
生存者、死亡者、行方不明者。
この3つに分けて貰える?」
「はい!」
それなら俺にもまだ出来そうだ。
「リヴァイは...」
「死んだ奴らの名前と、親元の住所を書けば良いんだな?」
「そう。
流石に分かって来ちゃったね」
と、笑う。
「どうしてそんなことするんですか?」
「ん?
親御さんに、報せる為だよ。
自分の子供が安否不明だとか、元気で居るかよく分からないまま過ごしたくはないでしょ?」
「確かに...」
例え辛くても、知りたいと思うのが親心だろうか。
「じゃあ、お願いね。
エレン、何か分からないことがあったら遠慮なく聞いてね。
2人の仕事は、それが終わったら今日は終わりで良いよ」
「分かりました」
「いや、俺の仕事が終わったらてめェのそれを代わる」
「え?
大丈夫だよ、疲れてるでしょ?
ゆっくり休んで?」
ツカツカと音を立てて兵長がキョウカさんに近づく。
何するんだ...?
脳裏に不安がよぎる。
「キョウが休め。
昨日、寝てねェだろ。
酷ェ顔だ」
キョウカさんの顎を掴み、顔を見つめるとフッと笑った。
「顔は余計なお世話よ。
これは本来私の仕事だもの。
私がやらなくちゃ」
だから大丈夫よ、と兵長のその手を静かに下ろした。
寝ねぇで仕事って、大丈夫なのか?
疲れてるだろうし、ぶっ倒れねぇだろうか。
チラリと横目でキョウカさんの様子を伺った。