第9章 団員名簿
あと30分で日付けが変わる。
でも、キョウカさんは部屋に帰って来ねぇ。
仕事が長引いてるのか?
それとも俺が来たからか?
「カレー...どうしたら良いんだよ...」
1人で食うには到底量が多過ぎる。
腹も減ったし、先に食っちまおうか。
でも1人で食うメシ程虚しいもんなねぇよな。
キョウカさんにそんな思いはさせたくねぇよな。
空腹と戦いながらキョウカさんの帰りを待つ。
それにしても遅ぇよな。
なんかあったのか?
それとも、今日は部屋に帰らないで誰かの部屋に泊まるのか?
「はっ...!」
起床の鐘の音で飛び起きた。
やべぇ、俺寝てたのか。
あれ...でも鐘...?
キョウカさん、この部屋に鐘の音は届かねぇって。
「って、そんな場合じゃねぇ!」
慌てて着替えを済ませて、兵長の執務室へ走る。
遅刻したら兵長に何言われるか分かったもんじゃねぇ。
部屋を出る時にチラリと見えたが、キョウカさんが帰って来た様子はなかった。
カレーも食べずにそのままだ。
仕事終わって帰って来たら、見つからねぇように捨てるか。
見つかって、それでもしキョウカさんが気に病んだら嫌だし。
「エレンです、入っても良いでしょうか?」
「あぁ」
ギリギリセーフか?
「紅茶、淹れますか?」
「いや、良い。
キョウの部屋行くぞ、早くから始めねェと1日で終わらねェからな」
「は、はい」