第8章 権力者
「て、時間!
急ご?」
手を引き、走り出したキョウカさん。
鍛錬場の着くと既にほとんどの兵士が集まっていた。
「じゃあエレン、訓練頑張ってね」
そう言って離れていくキョウカさん。
「はい、キョウカさんもお気をつけて」
キョウカさんはそのまま兵長の元へ向かい、なんか話してる。
俺も久しぶりに同期と話す。
しばらくして訓練が始まると、兵長とキョウカさんが前に立つ。
「今から俺とこいつで模擬戦するから、それを元にてめェのやり方を見つけてみろ」
模擬戦!?
キョウカさんと兵長が戦うのか!?
「今日はナイフじゃなく、超硬質ブレードを持った奴の対処法だ。
敵が兵士の場合、十中八九持ってるからな」
本物の刃を使うのか?
それでもしキョウカさんに怪我があったら...。
兵士達の視線が2人に集まる。
するとおもむろにキョウカさんは髪留めに手を伸ばした。
髪留めを外すと近くのコンテナの上に置き、ゴムで髪を束ねる。
「これはあくまでも私のやり方だからね。
素手で応対しても良いし、同じ超硬質ブレードで応対しても良い。
でも気をつけなければいけないのが、目的。
相手を殺すことじゃなく、相手を捕らえること。
私が言いたいのはそれだけよ」
髪をまとめ終わると、兵長と向かい合った。
大丈夫なのか...?
キョウカさん...!