• テキストサイズ

【進撃の巨人】ティアドロップ

第8章 権力者


昼休憩の時間になった。


「お疲れ様です。

紅茶淹れますか?」


「要らねェ」


「分かりました」


「おい、エレン。

キョウを呼んで来い」


「分かりました」


なんで俺が、って思うけどそれでもキョウカさんに少しでも会えるなら構わねぇ。


そう思っちまってる時点で重症か?


キョウカさんの執務室に向かい、戸を叩いた。


「どうぞ」


いつもと違う声のトーンのキョウカさん。


低くてキリッとした声だ。


「失礼します」


「なんだ、エレンか。

どうしたの?」


ホッと小さく息を吐き出し、笑うキョウカさん。


仕事中だったのだろうか。


ペンを握り、机の上に書類が積まれている。


「邪魔しちゃいましたか?」


「大丈夫よ、どうしたの?」


ペンを置き、尋ねてくれる。


「紅茶淹れよっか?」


ふとした瞬間に見えた髪留め。


身につけてくれてんのか...。


顔がニヤけねぇように、奥歯を噛みしめる。


「いえ、大丈夫です。

兵長に部屋へ呼ぶようにって言われて」


「リヴァイが?

分かった、この書類だけ仕上げたらすぐ向かうね」


そう言うと再びペンを握った。


「待ってます」


「ありがとう」


キョウカさんの表情がキリッと引き締まった。


仕事モードの時の顔だ。


普段の優しい表情じゃなくて、醸し出す雰囲気までキリッとしててなんだか少し近寄り辛ぇ。
/ 220ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp