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【進撃の巨人】ティアドロップ

第8章 権力者


キョウカさんと同時に部屋を出る。


「じゃあまたあとでね、エレン」


執務室の前で脚を止め、小さく控えめに手を振るキョウカさん。


「はい」


キョウカさんと別れ、兵長の執務室の扉をノックした。


「入れ」


「失礼します」


「今日は珍しく早いんだな。

キョウのことだから遅刻させるのかと思ってた」


「どんなイメージですか、それ」


苦笑し、紅茶を淹れる。


出勤直後や休憩時間に兵長に紅茶を淹れるのが日課となりつつある。


「どうぞ」


「あぁ」


紅茶を受け取ると、独特な持ち方をして口に運ぶ。


「いつも思ってたんですけど、兵長っていつ頃から仕事してるんですか?」


「それは歳の話か?それとも時間か?」


「時間です」


兵長が何歳から仕事してるかなんて、正直言って興味ねぇ。


んなこと言ったら怒られるから言わねぇけど。


「さぁな。

その日の気分だ。

まぁ、最近は早ェな」


「そうなんですか?」


俺が入団した時から早かった気がするけど。


「最近はキョウの奴に疲れさせられることも減ったからな。

その分夜寝れる」


「あ、そうですか...」


それはキョウカさんが兵長に抱かれなくなったってことで良いのか?


少しだけ、口元が緩む。


「おい、何笑ってんだ。

仕事しろ」


「すいません」


席に着き、書類に目を通す。


俺だけ特別で、兵長の執務室で仕事をしている。


これも監視の為だとか。
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