第8章 権力者
「やっぱり、エレンは優しいね。
でも時間も時間だし寝よ?
話はまた明日出来るから」
「...はい」
キョウカさんに代わって食器を洗う。
何もかもやって貰ってばっかじゃ悪ぃし。
紅茶のカップを片づけ終えると、キョウカさんにベッドに手招きされた。
布団にスペースを作り、ポンポンと隣を叩かれたので大人しくベッドに入った。
緊張する...。
勃つんじゃねぇぞ...!
若干熱が集まりかけている自身を睨む。
「こうしてると、いつもより眠れる気がするの」
そう言って俺の腕にしがみつく。
腕に感じる温かさと、柔らかさ。
そんなことされたら、また勃っちまうだろ...!
「エレン...」
「な、なんですか?」
「頭撫でて欲しいです...」
「え、い、良いんですか?」
「もちろん」
ゆっくりと手を近づけ、その小さな頭を撫でる。
形の良い頭とサラサラした髪。
凄ぇムラムラする。
「それ、好き.....」
うっとりしたような表情。
そして徐々に瞼が降りていく。
「...眠れないんですか?普段」
「うん、なんか落ち着かなくてね。
でもあったかいと眠れそうな気がする...」
舌っ足らずになっていく。
相当眠いんだな。
そんなとこも可愛いけど。
「おやすみなさい、キョウカさん」
目が閉じられ、しばらくすると穏やかな寝息が聞こえて来た。
良い夢を...。
頭から手を退かすと、俺も目を閉じた。