第1章 3年目
次の日
「じゃ、乾杯」
「乾杯!」
と優雅にワインを飲む久遠
(ワインがとても似合うなー)
ワインを飲む久遠を見てそんなことを思う真琴
いかにも高級なレストランに来るのはほぼ初めてであるため変に緊張した
「はは、緊張してる?」
そんな真琴に気づき、声をかける久遠
「あ…すいません。いつも居酒屋で飲むので」
と恥しそうに答える
「じゃあ、居酒屋のほうが良かったかな?」
「いえいえ!こんなところ普段来ないのでとても嬉しいです!」
「そう?じゃあよかった」
そう微笑む姿が久遠には神々しく見えた
するとコース料理が届き目を奪われる
「すごーい!」
小学生並みの感想しか出てこないほどとにかくすごく輝く高級料理を眺める真琴
「好きなだけ食べてどうぞ」
と久遠に言われるが正直、高級食材だらけで手をつけれたものじゃない
「あ…じゃあこのサラダを」
「それはヒラメのカルパッチョだね。とても美味しいよ」
「美味しいです!」
と言うが緊張しすぎで、あまり味がわからない
「ほら、これも食べてみて!」
と勧められ白身魚の焼いたものを食べる
「ん!これ美味しいです!」
「でしょ?これは天然真鯛のポワレだよ」
(ぽ、ポワレ?)
と思いながらも食べるが
「このポワレ?にあるムースすごく美味しいですね!」
「これね、オマール海老だよ」
久遠の答える食材にとにかくビビる真琴
この時点でヒラメと天然真鯛とオマール海老を口にしている
「このお肉も美味しいよ!」
と勧められまた口にしてしまう
「え?…このお肉知ってるお肉の味じゃない」
と言う肉は特選黒毛和牛のステーキである
「美味しい?」
「はい!とても美味しいです!泣きそうです」
「はは、喜んでもらえてよかったよ」