第1章 3年目
そして新入社員が入ってから半年
小湊は仕事にも慣れ、テキパキとこなしていく
「小湊くん、本当によく仕事するよね」
「そうですかね?真琴先輩のおかげですね!」
「そうかな?ふふふ」
最近では2人で休日に遊びに行くほど仲良くなった
「あらあら、お若いお2人さん。お話中悪いんだけどーこの企画の資料頼んでもよろしい?」
柚木からのお願いに返事をして、資料室へと向かう
ガチャ――
「資料がー…4つもいる」
「先輩、俺向こうの方探すんでここ頼んでもいいですか?」
「じゃ、向こうはお願いします!」
「はい!」
と2人は目的の資料を探しはじめた
「んー…ここはー、これか!」
と真琴は1つ目の資料を探し当てる
「もう1つのが…あれだ」
かなり高いところに資料が置いてある
「脚立使わないと」
真琴は近くの脚立を使い資料を取ろうとした
脚立は少し不安定であるものの真琴は気にせず登る
「んー!…届かない…んー!っ!」
と次の瞬間、真琴はよろめく
「…っ!危ない!」
よろめいた真琴は脚立から落ちてしまった
「大丈夫ですか?先輩」
と真琴の下には小湊が
「あ…!ごめんね!大丈夫?」
「僕は大丈夫ですよ。よかったです先輩を支えられて」
「っ!…ごめん、重かったよね!」
慌てて真琴が小湊から離れた
「いえ、先輩は軽すぎますよ。」
と照れ笑いしながら言う小湊
「それより先輩。危ないですからこういうのは僕に任せてくださいね」
「ごめんね。あ!小湊くんが脚立支えてくれたら私が取るよ!」
「あの…それは…ちょっと」
「え?…」
少し拒む小湊を見て不思議に思う真琴
「それは…スカートから…み、見えます」
「っ!…ごめんごめん!それは取ってください!」
「あはは、先輩は本当におっちょこちょいで可愛いですよ」
といきなりの不意打ちにドキッとする真琴
「じゃ、先輩。脚立お願いします」
そう言い、小湊は簡単に資料を取ってしまう