第1章 3年目
「ただいま戻りましたー」
「あら、意外と早かったね」
と桜木がコーヒーを飲みながら言う
「部長、副社長から確認していただきました」
と柚木のデスクへ資料を持っていく
「ありがとう。」
と受け取り訂正箇所を見る
「はぁ…これでもまだダメなのかぁー」
とため息をこぼし頭を抱えた
「桜木さーん、この間の作成資料まだ残ってる?」
「はい。やっぱりまだダメでしたか…」
と桜木も柚木と肩を落とす
「えぇー。これでも副社長から訂正くるんですか?くぅー!若いくせに年上女性の頭を抱えこませるとはなんて奴だ!」
となぜか憎しみこもったように言う足立
「足立さん…嫉妬してもムダですよ」
と真琴が足立をなだめる
「白石ちゃんまで言うようになったの?俺の唯一の仲間だと思ってたのに…」
「そんなこと1つも私言ってません!」
足立とのやり取りに笑う小湊
「足立さんと白石先輩ほんとに面白いですよね」
「お前!俺のことも先輩って呼べよー」
と足立が返すと
「足立さんは足立さんですね。私も先輩呼びはなんか変ですもん」
「白石ちゃんがそれ言ったらこいつもそうなるだろ?」
と小湊に指を指し訴える
「足立うるさい!」
そこに柚木が喝を入れる
「なんで俺だけ!?」
「足立、しー」
と口に人差し指を当て言う桜木
「え?こいつらは…!?」
「ほら、足立さん!仕事!」
そう言い真琴はデスクへ戻る
「えー…そういうことね。…ってなんで俺だけ言われるの!」
「うるさい!」
と部署の全員から言われる足立
「えええー!!??」