第4章 嫉妬と誘惑
「カンパーイ!」
3人揃い、ビールで乾杯をする
「2人とも遠慮せず食べて飲んで」
さすが副社長と言わんばかりの太っ腹な久遠
「すいません…僕のためにひらいて頂いて」
「いいのいいの。ちゃんと祝いたくてさ」
かなり奇跡に近い久遠と小湊の会話が進む
「そーいえば、小湊くんは好きな人とかいるの?」
そんなことも知らず聞く久遠
「あー…いますね」
「お?誰だ?」
「社内の人ですかね…」
「若いからいっぱい挑戦したらいいよ」
「はは、ありがとうございます」
真琴は終始ドキドキが止まらない
「副社長は?」
「俺は…いるよ。おっちょこちょいで可愛い彼女がね」
久遠は一瞬だけ真琴を見る
「…じゃあ今はとても幸せなんですね」
「そうだね。ありがたい事にね」
この日の飲み会はひたすらドキドキすることの多い会話の量に緊張を隠すため普段は飲まないビールを一気に流し込む真琴
「はぁ…」
「ん?何かあったか?」
「あ…いえ。少し疲れててすいません」
「そうか。お疲れ様だな」
真琴は内心ドキドキが止まらずだった
1時間後――――
「俺は小湊くんぐらいの年の時はなんにも思わず会社に入ってなんとなく仕事こなしてたよ」
「そうなんですか?副社長はすごく真面目な方かと…」
「あ…ふふ」
小湊と久遠が会話をする中、真琴は
「寝てる…本当に白石は疲れたのかな?」
「先輩、普段お酒強いのに…」
「そーいや、小湊くんは家の方向どこ?」
「僕、先輩と同じですよ」
「じゃ、今日は送るよ」
「すいません…僕も先輩、家まで送るの手伝います」
「ありがとう。じゃ、帰ろうか」
会計を済ませ眠りにつく真琴を2人で車に乗せる
「先輩すごく寝てますよね」
「確かに…無理させてたからかな」
久遠はチラチラとミラーで真琴を見る
隣にいる小湊は肩を貸してい状態だった