第4章 嫉妬と誘惑
「お、お疲れさん。あれ?資料は?」
呑気に聞く足立
「…あぁー、デスクにありました…」
無理矢理な笑顔を作り返す真琴
それに、気づく小湊は
「先輩、少し付き合ってもらっていいですか?」
そう言い、真琴を外へと連れ出した
「何かありましたよね?もう教えてください」
「……っ…く……」
真琴は先程のことを思い出し泣き出す
「っ!…どうしたんですか!」
「ひっ……私、やめておけば…っ…よかった…」
「え?」
「ごめんね…傷付けて…っく…最低だった…私。」
小湊に泣きながら謝る
「そんな俺だって…俺だって、無理矢理して…」
「私…副社長と恋愛なんて、無理だった…」
「どうして…」
「伊織さんに言われて気づいたの。…副社長と恋愛なんて釣り合うわけないって…だから…振り返れば、私は最低だったなって…」
今までの自分を振り返り、小湊にしてきたことに申し訳なさを感じた
「簡単に関係持って…簡単に無かったことにして、ごめんなさい」
「そんな…!やめてくださいよ。」
小湊は自分が無理矢理してきたことを謝る
「先輩は、俺が守ります。」
「へ?…」
「そうやって傷付けて来る人は許しませんよ。いくら偉い人でも…ね?」
「ありがとう。」
「ほら、先輩。」
「ん?」
「ちゃんと立って」
ニコッとした小湊
「支えてあげますから。ちゃんとお話聞かせてくださいよ」
「っ…小湊くん…」
真琴は小湊の優しさを改めて感じる
「ありがとう…」