第3章 密会
ある日の残業
残るのは真琴と小湊
2人は話すこともなくパソコンに向かって仕事をしている
カタカタカタもという音が響く
「はぁ…」
少し行き詰まる真琴はため息をつく
休憩をするために給湯室へ向かおうとすると
「先輩…」
と小湊が振り返る
「なに?」
「あの…お話が」
「……」
デスクへ戻る真琴
「何か分からないことあるの?」
「はい…」
「ん?…どこ?」
と立ち上がり小湊のデスクへ戻る身を乗り出す
「違う…それじゃないですよ…」
「え?」
小さくつぶやく声が聞き取れず、聞き返す真琴
「違うんだよ!そんなことじゃ…どうして?どうして先輩は普通でいられるの!」
唐突に叫ぶ小湊に驚く真琴
「普通って…どういうこと…?」
「こんなに言ってもわからないの?俺らの関係だよ!」
「なに?…関係がどうしたって…っ」
「副社長だよ!副社長室で先輩、なにしてんの!俺がいるのに…!」
「へ?…なにって」
「この間、副社長室から帰ってきた時、俺がシャツのこと言ったでしょ?あれだよ!」
と今にも泣きそうな目をして訴える
「それって嫉妬?…久遠さんに」
「嫉妬ってあたりまえだろ?先輩と俺は…」
「セフレ。ただのセフレでしょ?でも私と小湊くんはたった1回…それ依頼してもない」
「…俺が、先に先輩と関係持ったよね?」
「でも小湊くんは恋人じゃないよね…関係ないでしょ?それに言い訳になるけどあの日は疲れてたから…」
「は?…じゃあもう副社長と…」
「誰にも言ってないけど、付き合ってる。何度も何度も久遠さんとだってしてる」
その言葉を聞くと久遠は崩れ落ち、泣き出した