第4章 紫色さん
マスター「良かったら、飲んで。」
コーヒーだ。
「ありがとうございます…。」
なんだかその気持ちが
今のわたしにはつらくて、
涙が溢れてきた。
わたしはカウンターで1人、
顔を伏せていた。
すると、
トントン
誰かが肩を叩いた。
顔を上げると。
松本「すげー顔。」
会いたい人がいた。
そしてとなりに腰掛ける。
松本「どうして泣いてるの?」
「…ずっ…わからないの?」
松本「わかんないよ。
なんで?」
「なんでって…。
松本くんのニュース見たから…っ。」
松本「新恋人とバレンタイン?
あー、あれね、
今からほんとになるかも。」
「そうなんだ。」
松本「ちゃん、
だから付き合ってほしい。」
「は?え?なんで、っ…どういうっ」
松本「ずっと君が
好きだったから?やべ。
超恥ずかしい。」
「松本くん…彼女はどうするの?」
松本「彼女いません。
なってくれますか?」
「え、…はい…え、どういうこと?」
松本「これ…。」
松本くんがくれたのは、
ラッピングされた箱。
中を開けると、
「チョコだ。」
チョコが入っていました。