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バレンタインデーの思い出

第4章 紫色さん




松本くんと連絡を取らなくなって

しばらくすると、町はバレンタイン一色。



今年も自分用に何か

良いものを買おう。





仕事の帰り道、

ふと本屋さんに寄る。



あ、あれって…



松本くんだ…。





こんな所で会うなんて。




しばらく動けないでいると、

向こうも気づいた。



松本「…こんばんは。

挨拶くらい…いいよね?」




「こんばんは。

もちろんだよ!」




気を遣わせている…。



でも、無視されなくて


ホッとする自分がいる。



松本「何か探し物?」



「いや、なんとなーく?


松本くんは?」




松本「俺は、今度

ドラマで探偵やるから

何か為になる本あるかなーって。

…ドラマ、観てね。」





「うん!絶対に観る。」




普通に会話できたし、

何しろしょっ中会ってたのに

自分のワガママのせいで

会えなくなって、なんか

めちゃくちゃ笑顔になっちゃったよ。






松本「ラインも…しちゃだめ?

ラインはいい?」



「…たまに、なら。」




松本「よかった。ありがとう。

じゃ、また!」



「うん。」





そう言ってレジに向かう松本くん。




わたしは本屋を後にした。





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