第1章 黄色さん
ガラッ
二宮「…ただいま。…てか、
俺そろそろ帰ろっかなー。」
「お、か、えりなさい!
え、帰っちゃうんですか!?」
さっきの話、聞かれたかな…?
でもお願い、2人にしないで…
櫻井「俺はまだ飲み足りないから
他に行こうかな。
ちゃんは?」
無言の圧を感じる。
櫻井さんからの好意は
嬉しいけれど、私は…。
どうして知ってしまったんだろう。
この気持ちの正体に。
「猫…に、餌あげないとなので、
私も今日は帰ります…。」
私は、二宮さんと2人で
食事に来る時の癖で、
伝票を引き抜き、
携帯で÷3で計算した。
櫻井「ちゃん、
慣れた手つきでやってるけど、
俺たち2人で出すから!笑」
「54…え、あ、いや!
割り勘でお願いします!!」
そう言ったのに全力で止められて…
二宮さんは文句言いながらも
櫻井さんとお会計してくれた。
「ありがとうございました!
またご飯行きましょう!」
二宮「奢ってもらえるもんねぇ?」
「棘ありません?もー、
だから割り勘で良かったんですよ。」
でもこのやり取り…すごく好きだ。
櫻井「女の子に払わせんなよ。笑
でも、また行こう。
…今度は2人でね!」
!
いきなりすぎません!?
しかも二宮さんの前で!
「…は、はい。ご馳走様でした!!」
二宮「ふふっ。翔くんそれ
かなり思い切った発言。」
私はこの真っ直ぐな気持ちに
応えられない。
櫻井「俺、ニノには負けないから。」
二宮「何の話だよ?笑」
二宮さんは絶対に気づいてる。
でも、気づかないフリしたのを
わたしも櫻井さんも気づいた。