第2章 赤色さん
櫻井《登録よろしくー!》
〈登録しました!
風邪引かないで下さいね!〉
櫻井《それはこっちのセリフ!
傘、持っていけばよかったのに。》
〈私は近いので大丈夫です!〉
櫻井《明日は仕事で遅くて
間に合わないけど、
明後日は寄らせてもらうね!》
〈はい。待っています。おやすみなさい。〉
櫻井《おやすみー!》
私はそんなやりとりをしてから
ベッドに携帯を投げ捨てた。
家に帰ってお風呂から上がると、
櫻井さんからラインが来ていて、
すぐに返事をした。
いつもは真っ暗な家に帰宅すると
なんだか気分が落ちて…。
でも今日はいつもと真逆。
明るい気持ちになれた。
「もう寝よーっと。」
それから私は夢を見た。
櫻井「引っ越すんだ。」
「えっと、どこに?」
櫻井「それは言えない。
だからもうここには来れない。」
「え、ほんとうに?」
櫻井「さようならを
言いに来たんだ。」
「またねって言ってください…」
櫻井「さようなら、ちゃん。」
「待って、行かないで、お願い!!」