第6章 Accident…
まるで…悪夢のような時間…
男達は代わる代わる俺の中に、薄汚ねぇ肉棒を突っ込むと、一様に歓喜の雄叫びを上げ、欲の塊を吐き出して行った。
俺が一切の声を上げないのをいいことに、口の中にまで…
いっそのこと噛みちぎってやろうか…
朦朧とする意識の中で、ずっとそんなことを考えていた。
そうでもしなきゃ、泣いてしまいそうだったから…
漸く解放された時には、俺は自力で起き上がることも出来ないくらいにボロボロで…
「智…さと…、ごめん…俺のせいで…ごめん…」
「も…泣くなって…」
涙で顔をグシャグシャにして泣くニノに、そう言うのがやっとだった。
「な…悪いんだけどさ…今日…お前ん家…泊めてくんねぇ…?」
こんなナリのまま帰ったら、翔の事だから、またあれこれ心配するだろうし…
「でも…」
「いいから…、翔には適当に言い訳しとくし…」
それに、もしこんな事が知れたらアイツ…何すっか分かんねぇから…
「分かった…」
ニノは浴衣の袖で顔を乱暴に拭うと、無造作に地面に散らばった浴衣と帯を広い上げ、俺の肩に掛けてくれた。
「あーあ…、せっかく揃いで買ったのにな…?」
よく見ると、あちこち糸がほつれていて、空のように青かった筈の生地は、所々泥なのか、それとも血液なのか…それとも別の何かなのか…が染みを作っていて…
これじゃ今の俺と同じ…ボロボロじゃんか…
どうせなら、一度くらいは翔に見せてやりたかったな、俺の浴衣姿…
俺はニノの手を借りて何とか着付けを済ませると、怠くて重い身体を引き摺るようにして、下駄履きの足を進めた。
こんなことなら、履きなれたビーサンでも履いてくりゃ良かった…
全てが後悔でしかなかった。
後悔したって仕方ないのに…