第4章 Asymmetrical…
適当にメイクを落とし、腰に掛かった翔のジャケットを床に落とした。
「早く来いよ…」
両足を広げ、翔を誘う。
「まだ口紅残ってるだろうが…」
床に落ちたジャケットを広い上げ、ソファーの背凭れに引っ掛けた翔が、ソファーの端に腰をかけながら、俺の唇に残ったピンクを指の腹で拭う。
「くくく、すげー色だな?」
「でも可愛いと思ったんだろ?」
「まあな?」
ニヤッと笑った翔の唇が俺の唇を塞ぐ。
あっという間にこじ開けられた隙間から、翔の舌が突き入れられ、俺の舌先を絡め取ろうと、激しく動き回る。
その時、不意にさっきまで自分の口を占領していた、アレを思い出す。
やべ…、ニノのデカチン思い出しちまった…
「何考えてる?」
俺の集中が途切れたのを感じてか、翔が唇を離して俺を見下ろす。
「別に、何も…」
まさか別の男を、しかもデカチンを思い出してたなんて…言えるわけがねぇ…
「なぁ…、面倒な前フリとかいらねぇからさ…、早くくれよ…コイツを…」
熱を帯びて潤んだ目で見上げながら、スラックスの前を窮屈そうに押し上げるそこを、伸ばした手でギュッと鷲掴む。
「んな顔すんなって…。優しく出来なくなんだろうが…」
「別にいいよ、優しくなんてしてくれなくて…。だから…」
そう、優しさなんて必要ない。
この身体の奥で疼く熱を冷ましてくれるなら、少々乱暴にされたって構いやしない。
って言ったって、翔の性格上、そんなこと出来っこないんだろうけど…
「分かったから、そう急かすな。すぐヤルから…」
ほらな?
口でどんだけ悪ぶってみたところで、翔は優しいから…
上体を起こし、俺の手を引き剥がした翔が、ベルトを引き抜きスラックスの前を寛げる。
そして黒い下着の下に隠した膨らみに、俺の手を導いた。
「智が欲しいのはコイツか?」
「ああ、欲しいよ…、欲しくて欲しくて堪んねぇ…」
俺は下着越しの膨らみに武者ぶりついた。