第29章 Another dancer…【Extra edition】
バスルームから出ると、そこはシンと静まり返っていて…
「ニノ…?」
ニノの姿を探すけど、でもどこにも見当たらなくて、俺は部屋の隅々まで視線を巡らせた。
「なんだ…、こんな所にいたの?」
ニノは、丁度二人が座れる程のソファーに、身体を丸めて眠っていた。
「こんなとこで寝てたら風邪ひくよ?」
驚かせないよう、そっと声をかけるけど、ニノからの反応はない。
「しょうがないな…」
坂本さんの演出は、これまでニノが経験して来たステージよりも、何倍もハードだから、きっとニノだって疲れてんだよな…
少し休ませてやるか…
でもこんなとこじゃ絶対後から腰とか?身体に負担来るよな…
俺はニノをベッドに移動させようと、そっと抱き上げた。
…けど、軽いと思っていたニノは、俺が想像していたよりも少し重めで…
「お、お、おぉっ…!? …う、うわっ!!」
俺の足が縺れた結果、俺はニノを抱いたままベッドに倒れ込んでしまった。
「イテテテテ…」
咄嗟にニノを庇おうとして、ベッドの端に膝をぶつけたが、倒れた先がベッドで良かったと、ホッと胸を撫で下ろした…のも束の間、今度は膝よりも更に強い痛みが、腰の辺りに広がった。
「…やば…っ…」
俺は慌ててニノから離れ、背中を向けると、ズキズキと脈打つソコに手を伸ばした。
おっかしいな…、さっき抜いた筈なのに、こんな…
なるべく揺らさないように、そっとベッドを抜け出そうとした。
だって我慢するって決めたんだ。
でも、
「いい…よ? 俺、相葉さんなら…、ううん、相葉さんに抱いて欲しい…」
背中から伸びてきた手が俺の腰に巻きついた。
「起きてた…の?」
「当たり前でしょ? 相葉さんでもあるまいし…(笑)」
「ひっど…、つか、そうだよ…ね…」
けっこうな勢いでベッドに倒れ込んだんだから、それで起きないとなったら、よっぽどの神経の持ち主だ。
「それより…、相葉さん…? ここ…、このままじゃ可哀想だよ?」
腰に回った手が下に降り、しっかり上向いた俺の中心を握った。