第29章 Another dancer…【Extra edition】
とりあえず汗だけ長そうってことになって、俺はニノを先にバスルームに送り込んだ。
その間、俺は部屋の探索。
やっぱさ、使う使わないは別にして、興味はあるわけで…
俺は気になる物全てに手を触れると、その度に驚きの声を上げた。
俺の中では、「ラブホ=アミューズメントパーク」の構図がすっかり出来上がっていた。
でもやっぱりただのアミューズメントパークとは違うと実感させられたのは、たまたま目に付いて手に取ったシリコン製のソイツを見た時で…
「これって…、アレ…、だよな…」
俺は手にしたソイツと、自分の下半身とを交互に見た。
その時だった、
「お先に。相葉さん、次どうぞ?」
全面スモークがかかってはいるものの、ガラス張りになったバスルームから、フワフワのバスローブを身に纏ったニノが出てきた。
「あ、あ、あ、うん…。じゃあ、俺も汗だけ流してくる…かな…」
動揺しているのを気付かれないよう、バスローブ片手にバスルームに飛び込んだ俺は、とんでもなく洒落た造りの鏡を前に、深いため息を一つついた。
「情けないな、俺…」
服を脱いだ俺は、モヤッとした頭をスッキリさせたくて、熱めのシャワーを頭から浴びる。
でも一向に頭の中の霧は晴れることはなく、それどころかモヤモヤした霧は更に濃さを増して行って…
ついには、霧はニノの上気して赤く染まった白い肌に形を変えた。
瞬間、ズキンと下半身に感じた疼き…
俺は中心に手を添えると、瞼の浦にニノの姿を浮かべながら、手を動かした。
「何やってんだ、俺…」
ニノをオカズにしてしまった自分が、無性に恥ずかしくなってくる。
まだだ、って…
ちゃんと待つ、って…
そう決めた筈なのに、今からこれじゃ先が思いやられる。
俺は手に残った熱をシャワーで洗い流すと、バスローブと同じ素材で出来たバスタオルで全身の水気を拭き取り、火照った身体にバスローブを纏った。