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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第1章 ※それは月夜の酔いのせい?






「……いい、のかよ?」

「ん。だってサイコー、なんでしょ?」

「……あぁ。」



頷いた美咲は呂律が回っていない。



グラグラ揺れる頭で分かる。

絶対に、確実に、冷静な判断、出来ちゃいねぇ。



「初めて、って分かったらぁ、リヴァイ兵士長にも、重く思われちゃうよねぇ〜。」



美咲の柔らかく崩れた笑顔が。

忘れかけていた、黒い感情を呼び起こす。



グル、グル、グル、頭が回って。

ギリ。奥歯を噛む。



「ジャン?」



フと俺の頬に伸びて来た、白くて華奢な、小さな手。

目線を美咲に戻すと、花が咲いたように笑っていて。



「初めては、ジャンと。」



目を見開いた俺に、美咲は、にへ、と笑った。



柔らかく崩れた笑顔が。

警戒心のカケラもない笑みが。

全てを許してくれそうな顔が。



引き金だった。



そう、まるで俺の胸のど真ん中に、ズドン。と、火が出るような豪速球を放り込まれたような、感じ。













……敵わねぇ。



つーか、あぁ。



落ちた。



そんな言葉が、すとんと胸に収まった。

甘く妖しい光に照らされ、俺は美咲の引力に捕まってしまった。




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