第1章 ※それは月夜の酔いのせい?
酔いのせいで正常な判断が出来てねぇ事なんか、分かっていて。
普通なら絶対に見せない、その隙につけ込むように、美咲を引き寄せる。
ここで並んで座ってからずっと、触れたくて堪らなかった髪へと、指を差し込んだ。
サラサラと心地の良い感触が手を伝うと同時に、「へ?」みたいな声を漏らした美咲の小さな唇を、強引に塞ぐ。
カチリ。
歯が当たったような錯覚がした。
強かったか?
反省してる余裕なんかねぇ。
けど。気持ちは焦るし。
先に進みたがる。
落ち着け。
ゆっくり……ゆっくり。
震えてしまいそうな唇で再び口付けを交わすと、想像なんかぶっ飛ぶくらいの感触に、胸がじりじりと痺れた。
触れるだけのキスを繰り返しながら、美咲の様子を伺う。
少し硬かった唇が、ほぐれていくのを見計らって、遠慮気味に舌でソッとなぞる。
ビクリ。反応を返しながらも震えるその身体を優しく、だが、強く抱きしめた。
クソッ、これは、やべぇ。
止めらんねぇ─……、かも。
「ん、…………ふ、ッ……?」
まだまだ、“?“がたくさん飛んでいるようだ、が。
美咲の困惑した様子にもお構いなしに続けた行為は、勢いを増していく。