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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第20章 ※アイツと私の特別な休日






ほんの三十分にも満たない程度の仮眠を取ったジャンが部屋に戻った後、私は黙々と片付けをしていた。

兵舎の調理場に一人。

食器を洗いながら、ふと思う。



ほとんど、まる一日。

ジャンと過ごした休日。



……悪くなかった。



と、言うより。

認めたくはないけれど、わりと……
楽しかった。

イレギュラーなはずなのに、自然といつも通りの過ごし方が出来たからかも知れない。



無理したり、構えなくていい。

大人ぶったり、取り繕う必要も、ない。



当たり前みたいに過ごす夜が連れて来た、不思議なのに、自然な関係。



自分でも上手く説明出来ないその感覚を、無理矢理言葉で表すならば。



呼吸が、しやすい。

……みたいな?



どうして疑問系なんだと、自分で思いながら、苦笑してしまう。

けれど、それが一番近い答えに思えた。



不都合なのに、しっくりくる。



ジャンとの関係は、それ。



あの"オレ様"に振り回されていること自体、納得出来たもんじゃない。

ミカサ相手なら、絶対にしないような私への行為。



なのに、そうやって巻き込まれたペースは、驚くほど心地いい。



「……それはそれで、不本意なんだけど。」



呟いた独り言は、食器用洗剤の泡と一緒に排水溝に流れていく。



あー……
なんか、スッキリサッパリ、したい。



チラリ。

食堂の時計を見ると、もう深夜の三時を回っていた。



私は迷わず、急いでお風呂場へ向かい、乱暴に服を脱ぐ。

これでもっと、ゆっくり湯船に浸かる時間さえあるなら。



頭、切り替えて、明日からまた、頑張らなくちゃ。



密かに決意して、熱いお湯を浴びた。




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