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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第8章 理解が困難なアイツと私







最終的に、私はそのまま、いつの間にか寝ていて。



翻弄される。
と、いう意味の言葉を、こんなにも痛感したことは、なかった。



朝起きて、一番に私に襲い掛かったのは、全身に広がる筋肉痛だ。

主に、腰への負担が大きい。



加減もなにも、あったもんじゃない。
本気で信じられない!

……あの男。



目覚めた私は一人、声にならない叫び声をあげていた。



その元凶を作ったヤツは、しれっとした顔で。

隣で真面目に、エルヴィン団長の話しを聞いている。



朝日が昇ったか、昇らないかの時間に起きて、私の頬にキスを落とし、爽やかに自分の部屋に帰って行きやがったこの男。



「寝坊するなよ?」
と、何故か嬉しそうに笑って。

その笑顔が、いつもの意地が悪そうで、胡散臭そうな笑みじゃなかったのが、妙に印象に残って。



ジャンは、どういうつもりで私を……?



その問いは、考えても、仕方がないように思えた。



単なる欲情かも知れないし。

丁度いいオモチャが見つかったんだと、楽しんでいるのかも知れないし。

偶然握った弱味を使った、ちょっとした脅迫ゴッコなのかも知れないし。

お金を払わなくていい、娼婦替わりなのかも、知れない。



少なくとも、ミカサを好きなジャンにとって、私はただの同期であって。

恋愛感情がその行為にない事だけは、なんとなく、分かる。

そこまで、私は自惚れ屋では、ない。



だから、安心して。



勘違いして「付き合って」なんか絶対に言わないし。

ジャンの事を好きになって、ツライ思いするような、面倒くさい事にも、絶対にならない。



だから。



だから……

早く私を、解放して……。








残酷なこの世界に、

神様なんて、いるわけないんだけど、



私は祈った。




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