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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第1章 ※それは月夜の酔いのせい?






我ながら、卑怯で情けない、と思う。



ある意味、誘導するように転がり込んだ宿で。

自分でも、説明が出来ない感情が渦巻いて、衝動的に手が出そうになるのを必死に耐えて。



コクリ、コクリ、頭が揺れる美咲を引き寄せたくて、でも出来なくて。

自問自答を繰り返して、さっきの店の店主から貰った、初めての酒を喉に流し込んで。



俺はこんなに葛藤して、一歩踏み出すのも戸惑われていると言うのに、隣の美咲が何も感じていないのがまた歯がゆくて。



飲み慣れない酒に呑まれる前に、いつの間にか、美咲の空気に飲み込まれていたようだ。



コクリ、時折揺れる彼女の頭に合わせて、フワフワくすぐる髪の隙間に、指を滑り込ませたくなる衝動とひたすら戦っていたとき。



「セックスってした事あるー?」



なんて、美咲が突然、とんでもない事を言うから。

心地良かった酔いも一気に冷めた。



「は?!何でだよ?」

「べーつーにー。ただ、女の子は痛いって聞くし、あれって気持ちいいの、男だけだよねぇ。」

「……お前、は、ヤッた事、あるのか?」

「なぁ〜い。」



その言葉に、必死に戦っていた俺の理性が、バチン。と弾けた気がした。



俺の気も知らず、隣で平気な顔して空になった酒瓶をプラプラさせて、酔っ払っているコイツを、どうにかして俺の方に向かせたくて……



最低の手段に出る事に、した。




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