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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第6章 別人なアイツに捕らわれた私






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そもそも、外に出ると思ってたから、私はドアを少しだけ開けて「ちょっと待って、ブーツ履くから」って、言おうとしたんだ。



なのに、私がドアの隙間から顔を出したら、ジャンは当たり前のようにそれを引いて、手に持った紙袋を、ガサガサ鳴らしながら、兵団支給のブーツを脱ぎ出した。



「え?ちょ……?」



戸惑う私に、持っていた物を「ん」と手渡す。

袋の中を見ると、部屋で食べたかったパンと飲み物、そしてアルミンの宝物だった外の世界が書かれた本が入っていた。



ん?
何でアルミンの本が?

明日でも良かったのに。



ジャンに訪ねてみようと振り返ったら、彼はもうジャケットを脱いでいて、何故だかこの空間に馴染んでいるような姿に、何も言えなかった。



「あー。なんか喉乾いちまったな。」

「え?」

「水。」

「う、ん。」



まぁ……。
ジャンはあそこから動く様子はないみたいだし、何を今言っても無駄か。と思え、おずおずとジャンのところまで、さっき渡された飲み物を届けに行く。


……と。



「きゃッ……」



いきなり、ジャンに抱き寄せられた事で、手に持っていた文献が。



バサバサ。



床に落ちる音がして。



ちょっと!何してるの?

……という前に、小さく、まるで消え入りそうに。



「……美咲。」



切なげな声で、名前を呼ばれた。




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