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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第4章 暴君なアイツと混乱のワタシ






どっから覚えてねぇんだ?って、聞かれても。

記憶にあるのは、調査兵団の面々と別れた、場所。
で。

ジャンが……呑み直そう?って、言ってた、ような。

曖昧な、記憶しか、ないから……



「ぜ……ぜん、ぶ。覚えてない、かも。って言うか、腕、離して……。」

「あ?」

「ひッ……ち、近い近い近い!!!」



不機嫌そうな声と共に、ズイ。寄せられた顔を、必死に押し戻す。



「……んだよ。初めてじゃあるまいし。」

「……お、願いだから、離れて!!」



初めてなの!私の中では!!!
と。言いそうになったけど、ぐっと堪えて、唇を噛む。



はあ。大きな大きな溜息を吐いたジャンは、面倒くさそうに私の目を覗き込んだ。



「本当に離れても、いいのか?」

「……え?」



その質問の意味が分からなくて。
バカじゃないの?当たり前じゃない!と、眉を寄せる私。

でも、ジャンの目は、挑戦的なままで、息が掛かりそうな距離のまま、口を動かす。



「離れたら、お前の身体。丸見えになっちまうわけなんだが。それでも、本当にいいのか?」

「!!!」



慌てて身体を隠そうにも、その役割を担ってくれるものは、何もない。

自分の腕をかき抱いて、胸が見えないようにやり過ごすのが、精一杯の抵抗だった。



そんな私を見て、ジャンは失礼にも、盛大に吹き出す。



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