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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第4章 暴君なアイツと混乱のワタシ






「ちょッ……な、にすんの?!」

「話すんだろうが。お前、向こうむいたまんまで、どうすんだよ。」

「ッ、で、でも……。」



目のやり場に困る!と叫びたいのを堪えて視線を外すと、ジャンは意地悪く笑った。



「……何だぁ、意識してんのか?」

「ち、違っ、!」

「まぁ。今更だけどな。」

「ッ……ま、まさ……か……。」



その口振りに、自分の顔が青ざめていくのを、感じる。



うっ……そ、でしょ?

まさか私、ジャン……と……?



「そりゃぁ、俺達くらいの歳した男女がこの状態で、何もなかったっつー方が不自然なんじゃねぇの?」

「ッ!!」



わ、私……ホントに?



本当に……ジャンと……?



……嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!

嘘だ、と思いたいのに、この状況……。

ありえない……。



とても信じ難い状況に、思考も、心臓が動く事すらも、全てが停止したような気がした。

きっと今私は、酷い顔色をしていて、更に、目も口もバカみたいに見開かれたままになっているだろう。



「で?どっから覚えてねぇんだ?」



そう言いながら、私の髪を手で梳かすジャンは、あまりにも落ち着いていて。

自分とのギャップを感じて戸惑いつつ、私は顔を上げた。



三年間同じ訓練兵、調査兵団で、一緒に過ごしてきて、もう見慣れているはずの顔なのに。

こんなにも近い距離で、しかも、肌と……肌が、触れ合っている状態となると……

それはまるで違う。

さっきまで本当に動いているのか心配になるほど静かだった心臓が、急にうるさくなって。

ドキドキは治る事もなくて。



冷静に、なんて。

全然なれそうにもなかった。



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