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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第20章 ※アイツと私の特別な休日






結局、ジャンの気が済むまでそのまま過ごして。



解放されたのは、夜の十一時だった。



静かになってしまった宿舎の中、私の部屋を出てお風呂に向かったジャンに促されて、私もよろよろと共同のお風呂場に向かう。

時間も時間で、人が誰もいない中、熱いお湯を被ると。

身体に残るジャンの感触が、流されていく。



湯船に浸かり、空を見上げると、そこには満天の星空が広がっていて、少しずつ頭もスッキリしてきた。



ふぅ。

小さく息を吐き、お風呂場から出て。



部屋に戻ると、ジャンがヤギのミルクを飲みながら、残っていたパンを食器に乗せていた。

滴るジャンの髪から落ちる水滴に、目を奪われたような錯覚がしたけど、頭を振り、それを搔き消す。



せっかくだからと、私もミルクを入れる。



再びベッドに座って、いつもとは違う食べ物と飲み物を飲みながら、ジャンと馬鹿話しをして。

当初の予定とは全く違うけれど、不思議で楽しい休日の夜は更けていった。



少しだけ疲れた顔をしたジャンが、「あー……」と声を漏らしてベッドへと身体を預ける。



「……このまま寝ちまいそう。」

「……いや、アンタいつまでここにいるつもりよ。」

「自分の部屋に帰んの、面倒くせぇ。」

「分かるけどさぁ……着替えもないでしょうに……。」



呆れ顔で言う私に、ジャンはむくり。起き上がって、笑った。



「じゃ、今度荷物持ってくる。」

「は?」

「俺、この部屋に移っていいか?」



思いっきり眉を寄せてジャンを睨む。

……が、ジャンの焦点は、眠そうで、朧げだ。



うん、思った以上、だわ。

多分、半分寝てるよ、コイツ。



はぁ、と盛大な溜息を吐いてから、私は言った。



「絶っ対に、イヤ。」



この一言では収まらず、私は心から嫌だという気持ちを顔にも出しながら続けた。



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