第20章 ※アイツと私の特別な休日
午後からは何も予定のない兵団の休日。
任務がある日に比べて、緩やかに感じる空気の中で、私は狭い部屋の掃除と兵団服の洗濯などに取り掛かった。
「ま、こんなもんかな。」
やるべき事をあらかた片付け終えて、一息つく。
昼過ぎまでダラダラと過ごしていたせいか、時間はもう夕暮れが近い。
夕飯どうしよう……。
食堂で食べる気分でもないし、と思ったところで、さっきのモブリットさんの言葉を思い出した。
一人で街に出るのは嫌だけど、そうも言っていられない。
よし、自分の分も含めて買い出しにでも行くか。
脳内会議を終えると、外出用のラフな服装に着替えた。
とは言っても、シャツとロングスカートに、大き目のストールを羽織って。
街とは言っても、兵舎を出たらすぐそこなんだから、こんなもんでしょ。
机に閉まっていた財布を抜き出して、スカートのポケットに入れる。
最後に歩きやすい靴を履いて、部屋を出た。
兵舎の食堂にはすでに何人か見かけたが、それを気にすることなく、久しぶりの一人での街へ向かう。