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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第19章 ※特別な休みはお前のせい?






「目が、ね。……変わるの。」

「……目?」



意味が分からず、ただ美咲の言葉を繰り返した俺に、彼女はまた笑みを深くする。

……その笑い方、何となく不愉快だな。



そんな俺の気分を知ってか知らずか、彼女は何かを思い出すようにして、言葉を続けた。



「そぅ、目〜。……なんかねぇ、食われそう。って、言うか……ゾクゾクする、みたいな?」



少しだけ泳いだ瞳。

その先にあるのは記憶、だろうか。



俺が黙り込んだ事がそんなに嬉しいのか、にやにやしながら楽しそうに話す美咲。

彼女は、きっと気付いていない。



ほんのりと頬が上気し、その瞳に、欲が浮かんでいる事を。



それだけで俺の心がザワザワと掻き乱される。

よく、知っている、顔。

だけど、初めて見たような顔。



嬉しそうに、俺の知らない俺を突き付けるその顔が。



美咲が、一番甘くなる時の顔と……

重なった。



……また、だ。

また心が騒ぎ出す。

このところ、不整脈かっつーくらいに落ち着かない俺の心臓が暴れるのは、いつも決まって、美咲の表情が変わる瞬間だ。



「さっきは、違ったもん。」



自慢気に言い放った美咲は、にこにこしながら最後のパンを頬張った。

俺はもう、どうにも抑えきれない衝動を、なんとか逃がそうと髪をガシガシと乱暴に掻き乱す。



あー……
なんかもう、無理みてぇだ。

我慢出来るはず、ねぇよ。



一瞬で脳内会議を終えた俺は、「お前、なぁ……」と言って彼女の方に向き直った。



美咲は嬉しそうに、美味しそうに、最後のパンを水で流し込んでいる。

その手からグラスを奪い取り、そのままベッドに組み敷いた。



「ッえ?!ちょ、……何?」



微笑みから一転、戸惑いを顔いっぱいに浮かべた美咲が、俺の目の前にいる。



……さっきの顔は、反則だ。



その事を突き付けるかのように、耳元で囁く。



「その顔、誘ってんのか?」

「は?? 何言っ……、」



美咲の反論。

その続きを飲み込むように、俺は彼女の唇に噛み付いた。

深く、深く、衝動に任せるように。



脳が痺れるようだ。



彼女の唇は、いつも、甘い。



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