第19章 ※特別な休みはお前のせい?
「ちょ、アンタ、何やってんの?!」
「今のはお前が悪い。」
「何それっ!!」
噛み付く様子の美咲の物言いに、俺はくつくつと笑った。
この状態になってしまうともう、俺の独壇上だって、分かってるクセに。
俺の表情から何かを察したのか、彼女は息を飲んだ。
ホント、参るぜ。
お前はいっつも俺の心に爆弾落とししてくれるよな……。
ソッと顔を寄せて、確認するように呟いた。
「俺の顔……思い出したんだろ、あの時の?」
「っ、それがなによ……!」
やっぱり、と彼女の言葉で満足しながら、その肌をするりと撫でる。
「な、なに、するの!」
びくり。
跳ねた彼女の声と身体。
それだけで俺の中の欲はガチガチに膨らんでいく。
何かに耐えるように、唇を噛み締めしめている美咲に。
反撃した。
「俺の事、意識してる顔してた。」
「は……!?」
眉を寄せ、思い切り顔を歪めた美咲にも、動じなかった。
理想した事で、現実のものだと実感できた方からかも知れない。
喜びのあまり自然と口角が上がっていく。
「ヤってる時以外で初めて見たな。」
「ツ!!!」
ぱくぱく、と声にならない声を上げる美咲。
それすらも愛おしいくて貯まらなくて、つい、本音が出ちまった。
「なんか、すげぇ……嬉しい」
美咲が俺を意識していると物語ってるその表情が。
嘘じゃないんだ、本物なんだ、そう思っているんだと、確信できたから。
俺が美咲に触れながら感じているこの気持ちも。
少しでも共有できるんじゃねぇか、って。
もしかしたら、その内、
美咲にも、同じ感情が芽生えてくれるんじゃないか、なんて。