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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第19章 ※特別な休みはお前のせい?






飛びかかってくるんじゃねぇか、ってくらい噛み付く美咲に応戦していたら。

あっという間に、彼女に覆い被さるカタチになってしまった。



いや、断じて意図したわけじゃねぇ……わけでも、ないが。



この体勢になってやっと美咲は状況を把握したんだろう。

我に返ったかのように、弱弱しくポツリと呟いた。



「……ごめんなさい。」



眉の下がった笑顔。

冗談だよね?
助けてくれるよね?

って、期待しているような。



その顔に加虐心が煽られるのは、仕方がねぇよな?



「もう、遅ぇよ。」



本当に手を出してやろう、なんてつもりはなかったが、ちょっとした悪ふざけのつもりで、もがく美咲を見下ろす。



「ジャンー! 本当に申し訳ないと思ってるからぁ!」



その言い方に、これが"お遊び"だと言う事が伝わってくる。

俺が本気じゃないって事を、彼女も何となく察しているようだ。



「あぁ?聞こえねぇなぁ!」

「ごめんっでばー!」



わーん!

と叫びながら手足をジタバタさせる様子は、まるで子供だ。

普段とのギャップに、見た事のないリアクションに、堪らず俺は噴き出した。



「ブハッ!……お前、マジで面白れぇな。」



笑いを止める事が出来ないまま、美咲から身体を引いた。



また一つ、彼女の可愛い一面を見た気がする。

こう言うジャレ合いも悪くない。



俺から逃げられた事にホッとしたのか、美咲は嬉しそうに言った。



「はー、良かった良かった!でも、なんとなく助けてくれそうな気がしてた!」

「……あ?」



思わず俺の口から出たのは、不機嫌そうな声だった。



……んだよ、それ。

お遊びっつーのは分かっちゃいたが、その言い方は何となく悔しい。



俺の声を全く気にする様子のない美咲は、続ける。



「だって、そういう事しようとする時のジャンはねぇ……、」



そう言いながら、クルクル回していた指を俺に向けた。

いや違う、これは何かを宣告するような時の差し方だ。



しかも顔は何故か得意顔。

ニヤリ。

笑ったその表情は、何かを彷彿とさせる。



美咲の変わり様に、ただ目を見つめる俺に彼女は言った。



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