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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第19章 ※特別な休みはお前のせい?






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美咲の部屋に一人入り、ジャケットをハンガーに掛けて、食い物と飲み物、そして2人分のコップを準備する。

開かれた窓からはカラスの鳴き声。



俺は自然と出た鼻唄に気付かずにいた、ら。



パタン。



「……なんか、変にご機嫌そうね。」



不意に背後で聞こえたドアの音と声に、振り返る。

美咲はブーツを脱ぎながら、首を傾げていた。



しまった、と思ってももう遅い。

好きな女と休日を過ごせるってだけで、浮かれちまった自分に溜息が出そうだ。

まさか鼻唄までをも聞かれてねぇだろうな?



「どうしたのアンタ。」

「何がだよ?」

「いや、楽しそうだから何かあったのかなぁ、って。」

「…………。」



追い詰められると途端に弱くなる俺。

自分の顔がおそらく引き攣っている事を自覚しながら、吐き捨てる。



「うるっせぇな。どうだっていいだろ、別に。」



答えになっていない事は分かっていた。

そして必要以上に偉そうになってしまった事も。



だが、こんな俺の心情なんか言えるわけねぇし。

照れ隠し、と言う言葉で流してもらえるのなら有り難い。



「……意味分かんない。何で逆ギレなの。」



溜息と共に吐き出された美咲の言葉に、少しだけ申し訳ない気持ちになった。

が、そこですんなり「悪い」なんて言える俺だったら、美咲との関係も、こんな事にはなっていない。



俺はスリッパに履き替えた美咲に歩み寄り、その頭をガシッと掴んだ。

ゆらゆら揺らしながら、彼女に言い放つ。



「いいから早く、食うぞ!準備したんだからよぉ。」

「ちょ、……分かったから、もう!」



不満気に俺の手を振り払った美咲が、ベッドに腰を下ろしながら小さく呟いた。



「……全く、オレ様め……。」



きっと美咲は独り言のつもりだったんだろうが、外のカラスの声に混ざりながら、ハッキリと聞こえた。



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