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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第19章 ※特別な休みはお前のせい?






「ちょっと私、ハンジさんのところに寄って来るから先入ってて!」

「あぁ。」

「くれぐれも誰かに見られないようにね!!」



……なんだよ、その顔は。



美咲の言葉に苛立ち、小さく息を吐く。

俺の胸の内なんか知るよしもない美咲は続けて、何気ない事のように言った。



「じゃぁ、手……そろそろ離して。」

「は?」

「もう、兵舎も宿舎もすぐでしょ?」



ほら早く、とでも言うかのように、繋がった手を持ち上げた美咲を、無意識のうちに軽く睨んじまう。



そうやって、"どうでもいい"みたいに扱いやがって……

俺はこうしてお前と手を繋いで歩く事に喜びを感じてるっつーのに、お前は違うんだよな。

そんな風に、いとも容易く手離すくらいのもん、なんだよな。



……いや、お前は悪くない。

悪くねぇんだ。



けど、お前のその何気ない些細な言動に、小さく傷付いちまう俺がいる。



クソッ、本当にバカだ。



八つ当たりにも近い感情のせいで鋭くなった俺の視線に、美咲は、「な、何よ……」と狼狽えた。



「今じゃなくてもいいだろ。」

「は?」

「うるせぇな。いいから早く帰るぞ。」

「……もう、ホント、ジャンって……」



グイッと引っ張るようにして、その手を強く握りしめた。

一瞬だけ美咲の小さな手が強張ったのを感じたが、それ以上の抵抗はなかった。



俺はただただ、彼女の右手を、宝物のように握って歩いた。



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