第17章 ※アイツの約束あの人の秘密
「それでは、兵器の試作品完成に、乾杯!!!」
「かんぱーい!」
幹事と思われる、ディルク班長の音頭で、会はスタートした。
前祝いと言うだけあって、全員、表情が明るい。
真ん中に座るハンジさんに手招きされ、隣に腰を下ろすと、彼女は布に包まれた棒のような物を見せてきた。
「んふふ……ふふ。これをね、美咲に見せたかったんだよ。」
「それって……、」
「新兵器さ!どうだい?いい出来栄えだろ?」
一気にテンションが上がったハンジさんが、子供のように目をキラキラとさせる。
眩しい表情に、少しだけ苦笑い。
……ここで使うわけ、ないでしょうね?
眩しい表情のハンジさんに「期待しています」と、声を掛けた。
それより気になるのは、空いてる席だ。
テーブルは5人用なのに、モブリットさんはもう座っているし、あと一人、誰か来るのかな?
来てないって事は、私も別にコソコソ帰っても大丈夫なんじゃないか、と思い、ハンジさんに聞いてみる。
「あの……私、いります?」
「えぇ?!何言ってるんだい、美咲!」
「や、だって、席が一つ空いてるので……」
「ダメだよ〜。もうすぐちゃんと来るから!」
ハンジさん、声が大きい!
椅子を立つ決意をしようと思った瞬間、テーブルの向こうから、声が飛んで来た。
「あ、悪いね。一人遅れてくるんだ。仕事が押してるらしくてさ。」
どうやら、興奮したハンジさんの声が聞こえてしまったらしい。
答えてくれたのは、多分クラース班長。
私は会釈しながら、慌ててフォローした。
「そ、うなんですか。すみません。」
「いやいや、空いた席があると気になるのは仕方ないよ。俺が先に言うべきだった。」
そう明るく言って、ポーズを取った?
失礼なことを言ってしまったけど、気分を悪くしたようではなかったようだ。
ホッとしながらも、バツが悪くて私は苦笑いを浮かべた。