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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第17章 ※アイツの約束あの人の秘密






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辺りはもう薄暗くなって来た時間。

ハンジさんの手伝いが終わり、トロスト区の壁の工事に加わった私の周りに、人の気配はまばらだ。



「美咲。」



コツコツと足音が近付いて来た音と共に聞こえた声に、ドキリとしながら振り返ると、リヴァイ兵長が立っていた。



「……また今度、飯にでも行かねぇか?」



目の前のリヴァイ兵長に戸惑いを隠せないのと同時に。

フと、この前の会話が頭をよぎる。

「また誘ってもいいか?」……あの言葉通り、だ。



念のため、近くに人がいないのを確認して、リヴァイ兵長に向き直った。



「はい。解散が早い日にまた行きたいです。」

「分かった。楽しみにしている。」



短く答えたリヴァイ兵長は、穏やかな顔をして、その言葉だけ残すと、私に背中を向けた。



リヴァイ兵長に声を掛けられる。

そのたった一つの事で。

緊張で、機材を動かす手元が忙しなく動いてしまうのは仕方のない事だ。



……リヴァイ兵長から、本当にお誘いが、来た。



遠くなっていく背中を見つめ、その事実にニヤけてしまいそうになるのを耐える為、ぐっと顔に力を入れる。

眉間にシワが寄っている、気が、しないでもない。

けれど、ニヤニヤしているのを、誰にも気付かれたくはない。



念のためにもう一度、自分の周りに人がいないか確認し、深く息を吐いた。



……良かった。

ジャンどころか、104期の姿すらない。



胸を撫で下ろし、そろそろ私も兵舎へ向かおうと、壁を降りる事にした。



気持ちを切り替えないと、“悪魔”に見抜かれてしまう。

取り敢えずは部屋に戻る前に、ハンジさんの書斎にでも寄ろう。



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