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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第17章 ※アイツの約束あの人の秘密







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その後、私が部屋を出るタイミングで、ジャンも一緒に部屋を出た。

二人並んで歩くなんか、ちょっと変な感覚がして、誰にも見られていないか警戒しながら廊下を歩いていたけど、幸いまだ誰も部屋から出てくる形跡はなかった。



ジャンは何故か、部屋で一緒に朝食を摂って。

私の準備をひとつひとつ興味深そうに見ていた。

髪を櫛で梳かしながら、上に纏める間もじっと見られてて、鏡を見ながらその視線に気付いていて、何だか落ち着かなかった。

……さすがに着替えの時には近付かせなかったけど。



ジャンと別れて、ひとり、ハンジさんの書斎に向かいながら思う。



なんか、こんなの……

恋人同士みたい。



晩御飯一緒に食べて、抱かれて、寝て、朝食を食べて、一緒に部屋を出て。

訓練兵の時に見た、フランツ達のような……



今までにないパターンに、何故かそわそわした気持ちが湧き上がる。



これまでは、一緒に晩御飯を食べて寝たとしても、朝の時間を二人で過ごしたことは、ない。

そのせいか、私の中では夜の時間をいくらジャンに侵食されても、朝になればリセットされる。

そんな風に感じていた。



そしてそれは、お互いに暗黙の了解みたいなものになっているんだと、勝手に思ってた。

これは、“夜だけの、不思議な関係”だと。



だからこそ、“契約”みたいなものだと思えていたのに。



「……なんか、ルール違反、って言うか……、」



思わず口から溢れた言葉に、苦笑する。



そもそも、ルールなんてないんだけど。

ルールが出来るくらい、真っ当な関係とも言えないし。



小さく溜息を落とすと、もうハンジさんの書斎は目の前で。

こんな気持ちで作業場に入るのは、何だか躊躇した。



……でも、私が部屋から出ないと、あいつ、ずっといそうな感じだったし。



立ち止まって、目を閉じて。

すうっと、大きく息を吸い込んだ。

一度止めて、それからゆっくり吐き出して。

そっと、目を開いた。



「……よし!」



切り替えるようにそう呟いて、気合いを入れ直す。



余計な事は考えない。

今日も1日、頑張らなきゃ。



心の中でそう決意して、扉を開いた。



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