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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第17章 ※アイツの約束あの人の秘密






……やっぱりあの男、殴ってやりたい。



その思いを何とか堪えて、お風呂場へ向かった。



途中、お腹が減ったと見受けれるサシャとバッタリ会ってしまい、今日の工事の事を聞いてみる。



「この雨ですし、多分昼頃になりそうですね。」

「って言うか、今からパン食べて、また朝食食べるの?」

「へ?パ……パンのようなものはなにも。」



いそいそと部屋に戻るサシャを横目に、お風呂場へ入った。



頭から熱いお湯を被ると、昨夜の記憶が少しずつ呼び出されてくる。



ジャンの熱を、そしてジャンの言葉を……



『……美咲』



優しく囁くジャンの腕の中で、私は必死に身体に流れる熱と闘っていた。



私を激しく攻め立てるジャンは、時折、ぐっと顔を寄せて甘いキスを落とす。

熱に浮かされて朦朧としている私の意識を引き戻すかのように、その視線は鋭く。

まるで私の瞳の奥……

隠した全てを暴こうとしているみたいで。



すぐにでも逃げ出したくなるくらいなのに、その視線に射抜かれたように逸らせない……

そんな不思議な力を持っていた。



『……俺には、権利なんてねぇ、よな……。』



呟いた言葉、私の耳に届いてはいたけど、理解できなくて。

なんの事を言ってるんだろう。そんな事をボンヤリ思う事しか出来なかった。

ただ、ジャンにしがみついて嬌声をあげる私に、マトモな思考を求める方が無茶だ。



『……お前は、お前の好きにしてりゃいいんだよ。……リヴァイ兵長とどこに行こうが、他に男作ろうが……。』



一瞬、ジャンが悲しそうに眉間にシワを入れた気がした。

何かに耐えてるみたい、な。



ボーッとした視界の中、浮かび上がるその切なげな表情に、胸が甘いようでもジクジクと痛みが走り、心が揺られる。



どうして?



ねぇ、ジャン。

何でそんな顔するの……?



そんなの、まるで……



ココロに芽生えた、小さな違和感。

私はそれを、身体の熱から生まれた幻だと思い込む事にした。



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