第15章 ※隠したウソを暴くアイツ
「美咲の場合、身体に聞いた方が話しが早い。」
「ちょッ……?!」
こんなところで、なんてこと言うんだこのバカは!
掠れた声が、いやに扇情的で余計に腹が立つ。
叫び出したい気持ちを堪えて、手をギュッと握り締めた。
反射的に、殴り掛かってしまいそうだったから。
「じゃ、夜に。な。」
「…………。」
踵を返したジャンに声を投げる。
「ジャン!」
私に背中を向けているジャンの腕を掴むと、彼は顔だけこちらに振り向いた。
「……ライス系は、やだ。いつもの……パンで、いい。」
まだ、余韻に浸っていたかった。
リヴァイ兵長との休み前の御飯の記憶を、塗り替えられたくなかった。
そんな思いで呟いた私の言葉を、ジャンはどう受け取ったんだろう。
「……分かった。」
腕を払われて、そう言い残した背中からは、何も読み取る事が出来なかった。