第1章 ※それは月夜の酔いのせい?
美咲が欲しい。
もっと、欲しい。
触れたい。触れて欲しい。
気持ちいい事してぇし。してやりてぇ。
「……もう、今更だからな?」
「へ?」
何も分かってないような美咲の中に入ったのは、そんな事を呟いた後。
グ、と容赦無くあてがわれた感覚に、彼女は目を見開いて、口をハクハクと動かす。
「……キ……ツ!」
想像以上の刺激に、持っていかれちまいそうになったが、唇を噛んで、耐えた。
美咲は必死になって腰を捩らせ、俺から逃げようとするが、勿論解放してやるつもりは、ない。
逃げんなよ。
ココまで来たんだ。お前のせいで。
……サイコー、なんだろ?
早く堕ちろ。
さぁ、早く、折れて、喰われちまえ。
どれだけ美咲が必死に抵抗したって、無駄に決まっている。
俺は男で、お前は女だ。
その事実が、今、力の差として現れている。
考えてみると、可笑しいよな。
ほんの些細な事だったんだ。
些細な事で、俺とお前のバランスが……
っつーより、俺の中のお前が、変わっちまった。
美咲の抵抗が弱くなった中、ゆるゆると腰を動かし、首筋に赤い花びらを咲かせる。
「あッ……ん……ぁ、」
自分の意見をしっかり伝える為の口からは、先程に比べて更に甘ったらしい、聞いた事がない声が漏れ出して。
普段の凜とした表情からは考えられない程に、瞳は潤み、ゆらゆらと揺れる。
密着している美咲の身体全部が熱くて、とろけそうになる。
ずっと何気なしに一緒にいた同期が。
こんな、すげぇ武器持ってたなんて、知らなかった。