第1章 ※それは月夜の酔いのせい?
どうすんだよ、お前。
俺はもう、どうやってでもお前が全部欲しくて、堪んねぇんだけど。
生まれて初めて、丹念に愛でた身体を、必死に抱き寄せながら、俺は快感の波に抗う。
美咲の表情を盗み見ながら、普段は隠されている胸元に、更にいくつもの花びらを乗せる。
離したくない。
誰にも、渡したくない。
美咲が憧れているであろう、
リヴァイ兵士長にすら……。
なぁ、美咲……?
俺の方、向けよ……
他の誰でもなく……
俺の方を……
頼むから…………
「……側に、いてくれ。」
掠れた声が、届いているのか、いないのか。
触れている温もり。
人の体温に涙が出そうになったのは、生まれて初めての経験だった。