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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第13章 私の誤解と憧れのあの人






「だって、前と違って、様子を見にすら、来なかったし……。お誘いとか、もうないんだと思って……、私、何かした、かなって……。」

「……待て。」



綺麗な手が、顔の前にかざされる。

その手の形が、ぼやけているのは、私の目に浮かぶ涙のせい。



「……チッ。そんな風に思ってやがったのか。」



そう呟いて、眉間を抑え込むリヴァイ兵長に、胸が熱くなる。

今にも涙が溢れてしまいそうで、ぐっと堪えた。



「……俺はただ、……少し遠慮、しただけだ。」

「……遠慮?」

「あぁ。」



リヴァイ兵長は紅茶を手に取って、残りを流し込んだ。

さっき頼んだばかりで、結構な量があったのに、一息で。



そして、静かにティーカップを置いてから、私の方をじっと見てきた。



「……ハンジの計画に、お前を指名したのは俺だ。」

「え……?」

「……誘いやすくなると思ったが……逆に忙しすぎたみたいで、誘えなかった。……邪魔になるんじゃねぇかと。」

「そんなッ……邪魔、なんて……。」

「そうみたいだな。柄にもなく気を使って、損をした気分だ。」



リヴァイ兵長は、苦い顔をしてから私の方にそっと手を伸ばす。

その指先が、頬に触れる。



そこで初めて、我慢していたはずの涙が、頬を伝っていた事に気がついた。

拭おうにも、私は今、凍り付いたように、ただリヴァイ兵長を見つめることしか出来なかった。



私は、ちゃんと、認められていた?

リヴァイ兵長に?



「……そんな面されると、期待するだろ。」

「え……?」



リヴァイ兵長の小さな呟きが、落ち着いた店内に、淡く、溶ける。



近くにいるからうっすらと聞こえた、けど。

その言葉の意味まで追求出来るほどの、余裕なんて、なかった。

リヴァイ兵長の指が、私の涙をそっと拭ってくれる事に、全神経が集中していたからだ。



「……お前は、不思議な女だ。」

「っ、ごめんなさ……」

「ふっ……。冗談だ。笑え。」



そう言って、柔らかくなるリヴァイ兵長の顔。



「これからはもう、遠慮しない。忙しい時は、言え。」

「あ、は、はい……。」



慌てて残りの涙を拭い、頷く。

さっきまでの事を水に流してくれたのか、リヴァイ兵長の表情はなんだか優しくて、少しホッとした。



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