第13章 私の誤解と憧れのあの人
あと少しで、食べているサラダがなくなる。
リヴァイ兵長はライス系だと言ったけど、私は次、何食べようかな。と思った瞬間、リヴァイ兵長が口を開いた。
「開発の方は、どうなる?」
「え?」
「……まだ、忙しいか?」
「いや、多分私には任されないと思います。ハンジさんが中心なのは変わりませんけど、さすがに私に兵器作りの知識までないので。」
「ふっ。それもそうだな。」
目尻を少しだけ下げるリヴァイ兵長を見ると、胸がきゅうっとなる。
何だろう。
凄く優しい顔……
そんなに優しく微笑まれたら、どうしていいのか、分からない。
ああもう、どうしてこの人はこんなに素敵なんだろう。
……なんとかならないかな。
この乙女思想。
そんな事を考えていたら、更にリヴァイ兵長が言葉を続けた。
「……じゃぁ、また誘ってもいいか?」
「へ?」
「……落ち着いたなら、また、こうやって飯でも食わねぇか?」
…………。
あ、れ?
私は今、混乱している。
こんな事をわざわざいう必要はないんだけど、その必要ない行為をしてしまうくらい、混乱している。
リヴァイ兵長は、今、何を言った、の?
「……あ、の。」
「何だ。」
自分でも、何を言い出すのか、分からない。
それくらい、頭の中がグチャグチャした思考のまま、私は口を開いた。
「……また、誘って、くれるんです、か?」
「そのつもりだが。ダメか?」
「いや、ダメだなんて……!え……、だって、それはリヴァイ兵長の方、じゃないですか……。」
「あ?」
険しい、というより。
ぽかんと固まってしまったリヴァイ兵長。
意味が……分からない。
リヴァイ兵長が、何を言ったのか。
私が、何を言ったのか。
けれどもう、今の状況も、全てを整理してから話せるほど、私は冷静ではいられなかった。
ぐるぐる回る疑問や思考は、一度声に出してしまったせいで、ポロポロと溢れ落ちてしまう。