第1章 ※それは月夜の酔いのせい?
ごちゃごちゃと纏まらない思考に陥っていた俺の耳に飛び込んできたのは、美咲の甘く、高い、声。
「ん……ヤッ、おかしく、なる……!」
首筋に埋めていた顔を起こし、その顔を見つめると、苦しそうに息を吐き……ハの字に垂れ下がった眉の、少し下辺り。
うっすらと涙が浮かんでいて。
……驚いた。いや、マジで。
でも、
モラルとか、理性とか、もうどうでもよくなっちまったんだ。
いくら初めてだとは言っても、美咲の表情が伝えてくる。
絶頂が近い事。
さっきまでの俺の中のモヤが掛かった黒い感情なんて、どっかに行っちまったし。
美咲の表情ひとつで、こんなにも心が乱されていく。
ザワ、ザワ。と。
溢れ落ちる愛液を、親指で掬い、
誰も立ち入った事はないであろう、狭い、狭い、膣の中へ。
中指をそろそろと入れる。
親指でコリ。と蕾を刺激しながら、ゆっくりと中指を抜き差しして。
擦って、入って、出て、を繰り返す。
「こ……怖、い!」
震えるお前の声に、胸が痛くなっているのか、熱くなっているのか、もう分からなくなっちまった。
「大丈夫、怖がんなよ……。ちゃんと側にいるから。」
手触りのいい髪を撫でると、
背中に回っている美咲の腕の力がより一層増し、涙目で首を振るお前が可愛くて、喉の奥が熱くなる。
「おかしく……なっちまえ。俺で。」
聞こえるか、聞こえないか、分からないくらいの小さな声を耳元に届けると、美咲の中が、更に狭くなって。
悲鳴にも似た声と共に身体が跳ね、中が痙攣したのが、分かった。