第1章 ※それは月夜の酔いのせい?
後には戻れない。
自分を抑制、出来ない。
抱き寄せている腕の力を解き、優しく、床に組み敷いて。
瞳に掛かる前髪を払うと、美咲は大きな瞳を、細めた。
……いつも、怯える事もなく凛とした表情で、壁外調査に向かう女。
隙のない空気を纏って、訓練に励む女。
そんな女が、オンナの顔をして俺の下にいる。
そのたった一つの事で気持ちが高ぶって。
唇に。
頬に。
額に。
首筋に。
出来るだけ優しく、キスを落としながら、指先は下の方へ。
モゾモゾと動く美咲の足を捕まえ、腰から勢いよく、ズボンも……ショーツまでをも脱がせて。
大きく目を見開いた美咲の唇を、再び奪った。
「ン……ふ……ッ?」
静かな部屋に響くのは、美咲の甘い、甘い、声。と。
俺の指先から伝わる、クチュ。と、いやらしい音を立てる水音。
秘部は既に、すげぇ事になっていて。
驚きと同時に、嬉しさも、ある。
指先に少しの愛液を混ぜて、蕾を擦ると。
「ひッ……ん!……、あ……ぁ!」
擦る度に、ビクリと反応を見せる美咲を、キツく抱き締め、呼吸すら奪うように重ねる唇。
嫌われたくない。
壊したくない。
怖がらせたくない。
そう思う、のに。
コイツをめちゃくちゃにしたいと思う俺は、どこからおかしくなっちまったんだ?