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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第12章 ヒトリの夜は誰のせい?





それから十日ほど経った夜。



「……終わっ、たー……。」



報告がてらに寄った俺が、丁度ハンジさんの研究スペースで見たのは、美咲が思い切り伸びをしているところだった。



ああ。
分かる分かる。

その、やり遂げた後の脱力感。



同調しながら、近くの給湯室で紅茶を作り、美咲の目の前に差し出す。



「おう、お疲れ。」

「ありがとー。」



こちらに向き直った彼女はそれに手を伸ばし、表情を緩めた。

ふぅふぅ。と湯気を払い、ゴクリ。と飲んで、さらに脱力。

そんな中に響いたハンジさんの声。



「美咲ー!後はサインもらうだけだから、帰りに団長室に寄って、もう今日は休んでいいよ!」



バタバタと、なにやら忙しく動いているハンジさんを横目に、思案する。



明日は兵団の休み。

なら、美咲はきっと部屋で一人、パンを齧ってゆっくりしているに違いない。

ここ最近、美咲の部屋に行けなかったフラストレーションが、俺を駆り立てる。



美咲と、一緒にいたい。

あの部屋で。



俺はまた一つ思案する。



壁の工事は順調だが、今日はエレンの調子が悪い。

多分……そろそろこっちも終わりそうか?



近くにハンジさんがいる以上、美咲に今日行く事は伝えてはいないが、大丈夫だ。多分。



俺は自分の仕事を終わらせるべく、トロスト区上壁へと向かった。



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