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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第12章 ヒトリの夜は誰のせい?


[ジャンside]



最近、美咲の様子がおかしい。
なんとなくだが。



そう思い始めたのは、仕事が慌ただしくなった直後だった。



ボーッとしたかと思うと、何かを振り切るように作業に没頭していたり。

難しい顔をしている事も増えた。

最近じゃ、書斎に篭りっきりって事は少なくなっていたから、毎回ハンジさんの研究スペースに足を運び、「どうかしたか?」と聞いても「なんでもない。」と言う。



……んな面して、なんでもないわけねぇだろ。
説得力がまるでねぇ顔だな。



その後追求してみても、暫く観察してみても、それ以上の情報は引き出せなかった。

お互い忙しくなっていた事もある。



まぁ、別に気にする程でもねぇか。



なんて軽く思って、大した問題にしていなかった。

どうしてこの時、気付けなかったんだろう。



───恋敵は動き出していたのに。



調査兵団の仕事に追われる日々を送ると、余計に、美咲と過ごした夜が恋しい。

自分でも驚く程に、俺は美咲の部屋で過ごす夜を気に入っていたらしい。



コニーと話しながら食堂で飯を食うのもいいし、街に出て飯を食うのも好きだが、それとはまた違う。

相手が違う、そして漂う空気も違う。

あの空間と、甘い夜。



思えば思うだけ、煩悩は募る。



あーぁ。
腹減った。

喉も渇いたし。

……触りてぇ。



そう思いながらも、うまく時間を作れずにいた。




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