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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第1章 ※それは月夜の酔いのせい?






次第に激しくなる口付けは、お互いの息を荒くして。



……酸素が足りなくて頭が回らねぇ。でも、止めたく、ねぇな。



一瞬、ソッと唇を解放した。



試す……、って、どこまでのつもりだ?

コイツは俺とこの先に踏み込んで、本当にいいのか?

先に進むには、どんな興味をそそる罠を仕掛ければいい?



妙案は浮かばない。

これは訓練や試験みたいな正解がある問題でもなんでもねぇ。



ただただ、今だけは、この腕の中の温もりを離したくなくて必死だった俺に、美咲が呟いた。




「サイ、コー……かも?」




ドクン。



耳に飛び込んできた言葉に、驚いてその顔を窺うと、トロリとした表情で、俺を見つめている。



まるでそこに何かしら別の感情があるみたいに感じてしまうのは、きっと、俺のただの願望だ。




「ジャン、もっ……と、して?」






甘えるような、ねだるようなその台詞で、全部吹っ飛んだ。




次へ進むのに躊躇していた俺には、効果的かつ刺激的な一手。つまり、王手だったように思う。



美咲を抱き締める腕を、一旦解放し、邪魔なテーブルを角に追いやってから、再び美咲を引き寄せる。



月明かりしかない、薄暗い部屋。

決して綺麗とは言えない、安宿の一室。



俺はまだ自分の置かれている状況に気付いていない美咲を、出来るだけ怖がらせないよう、ソッと覆い被さった。




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