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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第9章 思わぬ誘いと憧れのヒト






ジャンにも言われたはずの「面白い」が、全然違う響きで耳に入ってきたことに、密かに動揺した。

同時に感じた、ドキドキと嬉しさと……
少しだけ足りないような、変な気持ち。



それは、きっと、小さな期待。



一緒にこうやって話せる事が、どれだけ凄い事なのか、今更言われなくても分かっている。

私は一介の兵士で、この人は調査兵団の兵士長で。



でも、今のこの瞬間私の隣にいるのは、“兵士長”のリヴァイ兵長じゃなくて、リヴァイ……さん、と言う、ひとりの男の人。



あぁぁああ。

調子に乗って、“さん”なんて言った事に、一人で恥ずかしくなってしまう。



けれど、そのリヴァイ兵長が、私と一緒になって、楽しそう?にしてくれて。

同じものを食べて、美味しいと言い合って、同じように紅茶を飲んで、同じ時間を共有している。



嬉しくて、楽しくて、気持ちがどんどん増していきそうで。



いつの間にか吹き飛んでいた緊張は、代わりに余計な期待を呼んでしまったようだ。



「……歳の事を聞かれると、恥ずかしくなっちまうもんだな。」

「そ、うですか。」



目を伏せるリヴァイ兵長に、私のこんな気持ちは、きっと届かない。

いくら、少しだけお互いの壁がなくなったと言っても、それを見誤るほど、自惚れてはいない。



リヴァイ兵長は私とただ“御飯を食べたかった”だけだ。



ここに来たかっただけ。と言ってもいいだろう。

美味しい御飯と紅茶で、楽しい時間を過ごしたかったのかも知れない。



少ないアルコール、低い度数で、次第に冴えていく思考とは裏腹に、会話は弾む。



「お前、誕生日は?」

「誕生日?……は、先月でした。」

「そうか。色々あって辛かったな。祝いも、しそびれちまった。」



……あ。

左の眉が下がった。



そんな小さな仕草に、言葉に、また胸がときめいてしまう。



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